溺愛王子様のつくり方
あたし、鈴野ちとせ(すずのちとせ)。
今年23歳になる現在22歳の新卒社会人。
今年からMMマネジメントの医務室で勤務する産業保険師。

そして、同じ部屋にいる彼は
遊佐学。
たしか、今年28歳はず。
誕生日は知らないからいまが27なのか28なのかはわからないけど。

MMマネジメントの社長令息であり、副社長。
……今日まで知らなかったけど。



「俺の顔をみたらすぐにいなくなると思ったんだけどな」



失敗したと頭をガシガシとかく。



「え?」



その言葉は、適当になんか選んでないことを意味する。



「あの時のことも持ち出してくるとは思わなかった」


「あたしにとってはいい思い出ですよ?遊佐先生?」


「メガネ……外せ」



また、あたしに近づいてきてそっとあたしのメガネに触れる。



──ドクンッ



既視感のある光景にドキドキと心臓のあたりが騒がしくなる。



「言ったじゃん、なんでメガネかけるんだよ」



あの時も同じ。
優しい笑顔で言う。

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