溺愛王子様のつくり方
「つーか、これ政略結婚って言うんだよ。わかる?」


「そのぐらいの知識はあります」



まさか自分がその相手になるとは思ってもいなかったけど。
だいたい普通はあたしみたいな一般人じゃなくて、どこかの社長令嬢と。とかじゃないの?

あたしみたいな一般人の結婚しても会社の利益には1円もならないはずなのに。



「うちの会社はどこかと提携結ばないとならねーほど落ちぶれてないから」



あたしの考えを読みとったように、学くんが呟く。



「お父さんのこと信じてるんだ?」


「は?あんなの信じてるわけねーだろ」



一瞬にして不機嫌オーラが満載になる彼の周り。



「え?」


「本当は会社だって継ぐつもりなかったし」



持っていた紙をぐしゃっと握りつぶす。

それだけ、社長への何かしらの憎悪がある。
そう感じた。



「でも、継いだんだね」


「兄貴がどうしょうもないんでね。仕方なく」

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