溺愛王子様のつくり方
ポケットに手を入れるとカサっとなる紙の音。
「持ってきちゃった……」
どうするんだろう。
こんなものただの紙切れだ。
学くんも隠すのなら隠し通せばよかった。
葉菜さんに言うくらいなら初めからやめておくべきだったんだ。
「あれ?キミ新しい子?」
食堂で婚姻届を見てるあたしの肩を誰かが叩く。
「わっ!」
あまりの突然の出来事にびっくりしてしまう。
「ふーん、鈴野ちとせちゃんっていうんだ?」
「あ……」
婚姻届を見られたことに気づいて、慌ててポケットにしまう。
「俺、環っていうんだ」
満面の笑みであたしの向かいに座る。
「あ、環……さん」
どことなく、学くんに似てる環さん。
ただ、性格は全然違う。
学くんはどちらかというと静かなタイプ。
俺様ではあるけど。
環さんみたいな底抜けの明るさは持っていないと思う。
「タマでいいよ。みんなそう呼んでるからさ!」
「あ、でも年上……」
あたしより年上だと思われる環さんを気軽にあだ名で呼ぶのはなんだか申し訳なくて、尻込みしてしまう。
「持ってきちゃった……」
どうするんだろう。
こんなものただの紙切れだ。
学くんも隠すのなら隠し通せばよかった。
葉菜さんに言うくらいなら初めからやめておくべきだったんだ。
「あれ?キミ新しい子?」
食堂で婚姻届を見てるあたしの肩を誰かが叩く。
「わっ!」
あまりの突然の出来事にびっくりしてしまう。
「ふーん、鈴野ちとせちゃんっていうんだ?」
「あ……」
婚姻届を見られたことに気づいて、慌ててポケットにしまう。
「俺、環っていうんだ」
満面の笑みであたしの向かいに座る。
「あ、環……さん」
どことなく、学くんに似てる環さん。
ただ、性格は全然違う。
学くんはどちらかというと静かなタイプ。
俺様ではあるけど。
環さんみたいな底抜けの明るさは持っていないと思う。
「タマでいいよ。みんなそう呼んでるからさ!」
「あ、でも年上……」
あたしより年上だと思われる環さんを気軽にあだ名で呼ぶのはなんだか申し訳なくて、尻込みしてしまう。