溺愛王子様のつくり方
「あら、タマちゃん!いたの!」



ここで責任者をしてる結城さんが食堂にやってくる。



「結城さん、おはよー」


「おはようってもう午後よ?」


「今日はねー、15時まで寝てた」



当たり前のことのように話すタマ。



「タマちゃん、また寝れなかった?」



結城さんが心配そうにみる。



「まぁね、寝付けたのはもう明るくなってたよ」



底抜けに明るく見えるタマだけど、どこかで闇を抱えてるのかもしれない。



「そうだ、今日の夜はみんなでちとせちゃんの歓迎会するよ!」


「え!?そんな……あたしいつまでいるかなんて分からないのに」


「いいのよ。たとえ1日だとしてもここにいるうちは家族なの」



結城さんの言う〝家族〟という言葉に胸が暖かくなった。

家族がないあたしは、家族にずっと憧れてた。
やっと家族ができたと思ったのに、家族になんかなれていなかった。

1人で舞い上がっていたんだ。

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