溺愛王子様のつくり方
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「なにしてんの?」



ちとせを元いた施設へ送り届けて、仕事が終わるような時間から会社の前で待つこと2時間。
目当ての人物がやっと出てきた。



「あまり副社長にこういうこと言いたくないんですけど、どいうつもりなんですか?」


「なにがだよ」



俺の言葉に眉を顰める。



「ちとせのことなんだと思ってるんですか?」


「は?」



ちとせの名前を出した瞬間、不機嫌な声になる。



「結婚したとか言って、してねーじゃん」


「は?なんでそれ……」


「あいつのこと傷つけるだけのつもりなら、俺が一緒にいるんで」



ちとせが同じ生徒会に入ってきて、すぐに好きになった。
仲よくなった関係を壊したくなくて、告白する勇気は待ち合わせてないけど。

でも、結婚したからもう先はないなと。
妹のように見守ろうと心に決めた。

でも、こいつがちとせを裏切ってるなら話は別だ。

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