次期社長の溺愛が凄すぎます!
「私だって、たまには社交生活しますから。総務なので接待とかはないですけど、飲み会くらい参加しますし、藤宮さんにいちいち報告する必要もない……」

言いかけて、彼は今、ロスにいることを思い出した。

「あの、藤宮さん……帰国してます? 今、あなたのいるところは何時ですか?」

『まだ帰国していない。今は……10時前だな』

腕時計でも見たのかな。そんな間を置いて告げられた時間に片手で顔を覆った。

それって仕事中って言うんじゃないのかな。

そこまでして、連絡してくれなくてもいいのに。感心するというか、戦慄するというか、微かに申し訳ないというか……。

「ごめんなさい。私は無事です。ですからゆっくり仕事なさってください」

『そこは気にしなくていい』

いやいや、社会人なら是非気にしていただきたいところでしょうよ。

「ともかく、何か用だったんですか?」

『ああ。メールありがとう。花の意味がわからないと書いてあったから、その理由を伝えに』

それだけのため? マジですか、この人、やっぱり変な人だな~。

普通、連絡がつかなければ、メールにするなりなんなりと、他にも方法があるだろうに。

効率を考えようよ、効率を。
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