次期社長の溺愛が凄すぎます!
『それで、赤いバラの花言葉は……』

「有名な花言葉くらいは知っています!」

『本数の意味もか?』

それは教えてもらいましたとも!

心のなかで答えていたら、電話の向こうで笑い声が聞こえた。

『麻衣子は正直だな。わからなかったらそれでいい。次も楽しみにしていてくれ』

朗らかに言われて、溜め息をつく。

「ですから。メールにも書きましたけど、会社に配達されても困りますから、皆に何事かと思われましたし、ニヤニヤされて噂になるし」

『そのつもりで贈っているからな』

どんなつもり……って、あれか、私を見世物にするつもりか。

見えないことをいいことに、険しい顔をしながらベッドに座る。

「藤宮さん。妙なこと考えてません?」

『惚れた花に、悪い虫がつかないように考えるのは普通だ』

何言ってんだ、コイツ。とか、思わないでもなかったけど、意味が飲み込めてくると、じわじわ足元から熱が上がってきた。

わ、私が花とか言われてる?

一般的な人は、女性を“花”に例えても、あまり本人に言わないと思う。

でも、私の低い恋愛偏差値じゃ、判断できるような材料はほぼないっていうか、皆無に近い。

まぁ、誰とも付き合うつもりはないんだから、これはこれでいいのかも?
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