次期社長の溺愛が凄すぎます!
「ダメですよ主任。やるならとことんやらないと。デートの相手は例の方ですよね?」

例の方って、まぁ、例の方ではある。

……どうしようか。三島さんってば、なかなかおかしな方向にヒートアップしてない?

掴まれた手と、キリリって感じに真面目な顔をしている彼女の顔を交互に見る。

「私、編み込みなんて器用なことできな……」

「何を水くさいこと言ってるんですか、私がちゃんと編み込みますから! 心配しないでください」

うーん。思い込みが激しくて、別の意味で心配だけど、終業したら逃げればいいか。

「そろそろ朝礼始まるから、三島さん、手を離して?」

そう言ったら、唇を尖らせながら離れてくれた。

今は間違いなく決算期で、経理課が一番大変な中、総務だって色々やることが増えるんだ。

気合いを入れて、朝礼を終わらせてから指示を出していたら、チラチラチラチラ視線を向けられる。

そこまで物珍しいもんでもないでしょう。

やっぱり、こんな服装は選ぶべきじゃなかったかな。

でも、もしかすると藤宮さんと夕飯を食べることになるかもしれないし、そうなるとちょっと気を付けないと、また服を買われそうな気がするし……。

さすがに、毎回のようにプレゼントされるのは問題だと思う。
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