次期社長の溺愛が凄すぎます!
「私は日本人だから。古き良き文化を大切に守ろうかと」

「そんなものは保護団体に任せてください」

真剣な表情で言うもんだから、思わず吹き出した。

「わかった。任せることにするね」

昨日の飲み会は、思っていた以上に、私と三島さんの距離を近づけたらしい。

考えていたら、ウェイターがお水とおしぼりを持ってきてくれた。

私は昔ながらのオムライスと、三島さんは日替わりランチを頼んでひと息つく。

「で? 今日も私が奢ればいい?」

ニヤニヤしながら三島さんを見ると、彼女はちょっとだけ“失敗した”とでもいうように眉をしかめた。

「ランチじゃなくて、ステーキセットにすればよかったです」

「ちゃっかり過ぎるでしょ。というか、肉がそんなに好きなの?」

呆れたように言うと、彼女は重々しく頷く。

「普段は質素です。実家ならそこそこ食べますけど、近所のスーパーのお肉って、ちょうどいい量で売ってないんですよね~」

「いきなりプライベートだね。てか、三島さんも自炊するんだ? 私も自炊派。コンビニで買って食べるときもあるけど、味付けが濃く感じちゃうことが多くって」

何故か、おばちゃんくさいことを言いながら、水を飲んだ。
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