次期社長の溺愛が凄すぎます!
「その手料理を、藤宮部長に振る舞いました?」

唐突に言われて、水を吹き出しそうになる。

「な、なんなの。あなたは私が何か飲んでるときに話しかける癖もあるわけ?」

「そんな癖はありませんよ。だって主任、今日はお洒落してるから、デートかなって思ったんです。つきあってないとか言いつつ、デートはするんじゃないですか」

じっと見つめられて、ブンブンと頭を左右に振った。

「デートなんてしないよ! 単にお迎えに行くだけだから」

言った瞬間にニヤリと笑う三島さん。思わず身を引くと晴れやかに笑いだす。

「本当、主任ってそういうところ馬鹿正直っていうか、可愛いですよね。話をはぐらかしてるのかと思えば普通に答えるし。今日は、主任がお迎えに行くんですね?」

「……お出迎えが嬉しいんだって。それにバラの花をくれたお礼は、それでいいって言うから」

「昨日の今日でそんな話に!? いつ藤宮部長と話をしたんですか」

えーと。昨日の夜の話だけど。

何となく言いにくくて、もじもじしていたら、三島さんがぐっと身を乗り出してくる。

「藤宮部長って、どういう人なんですか?」

「どういう人なんですか……って、鶴川さんに聞いていたんじゃないの?」
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