次期社長の溺愛が凄すぎます!
靴はしっかり履きましょう
***


頭が痛い。口の中が気持ち悪い。そう思って目を開けた。

「……えーと?」

ここはどこだろう?

見え覚えのない白い天井、白い壁。

ベッド以外にあるのは小さなサイドテーブルのみ。

ゆっくりと首を巡らせると、ブラインドの隙間から明るい日差しが差し込んできている。

思考がうまくついてこない。でも私のうちじゃないってことはわかった。

うちはカーテンだし。

額に手を当てて考えてみても、状況がさぱっり読めない。

確か昨日、藤宮さんに飲みに誘われて、会いたくもないのに奏斗に再会して、それから居酒屋に飲みに行って、大泣きして……。

ということは、ここはもしかして!

ガバっと起き上がった瞬間、痛烈な頭痛に襲われてそのままベッドに突っ伏す。

これはあれだ。

噂に名高い二日酔いというものだ。

最後の方は全然記憶がないから、きっとガラにもなく飲みすぎてしまったんだろう。

痛む頭を抱えていたら、ドアが開くような音がした。

「起きたか?」

聞こえてきた声は、間違いもなく藤宮さんの声。

やっぱり、ここは藤宮さんのベッドルーム?

私ってば藤宮さんの家に泊まっちゃったってことなのか?

ギョッとしたのは確かだけど、身体を動かすだけで頭が痛いので身動きしないでいたら、戸惑ったような気配がした。
< 161 / 197 >

この作品をシェア

pagetop