次期社長の溺愛が凄すぎます!
「麻衣子……何をしているんだ?」

「すみません。頭が猛烈に痛いです」

半泣きで答えて、動ける範囲で視線を上げると、普段とは違うロングTシャツにジーパンとラフな装いの藤宮さんが、ひどく安心してホッとしたように見えた。

「何故、ベッドの上で土下座しているのかと思った」

「どちらかというと、土下座したい気分ではあります」

家主を差し置いてベッド占領して寝てるとか、私、あり得ないんじゃない?

それでも何とか起き上がって、しわになった服を伸ばしていると、神妙な顔をしている藤宮さんに気がついた。

「どうかしましたか?」

「昨日は何もしていないから安心しろ」

視線を窓の方へ向けて呟く藤宮さんに、どういう……意味か、すぐにわかって頭痛も吹っ飛んだ。

「そ、そそそそうですね! 服着てるし! それは大丈夫な気がしました!」

意味不明な言葉を紡ぎながら、かなり空しい気持ちになってくる。

「えーと……女として、酔っぱらって連れ込まれるなんて、魅力に欠けますもんね。わかります。どうせ女らしくないから私」

両手をパタパタさせながら、どんどん支離滅裂な事を言い始めて、自分で言ったのにガッカリしてしまっていた。
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