次期社長の溺愛が凄すぎます!
藤宮さんは言葉を止めて、それからサラリと私の頬に触れる。
「……俺の母親もそうだった」
呟いて、唐突にタオルを取りあげた。
驚いて瞬きした私に、今度は冷たいタオルを乗せてくる。
「子供に自分の時間が削られるのが嫌で仕方がなくて、父が仕事人間で構ってくれないのが寂しくて、自分だけが辛いんだと嘆いて。結局は他の男と浮気して、家を出ていった」
話がいきなり過ぎて、右から左へスルーしそうになる。
藤宮さんにはいつもびっくりさせられるけど、今回は超弩級にシリアスな話を突っ込んできましたね⁉
ガバッと起き上がり、タオルを外して彼を見たら、自嘲するような表情を浮かべているから、何か言おうとして……。
でも、何を言っていいのかわからなくなった。
「俺と彼女は”婚約者”だった。普通なら、あそこまで過剰な行動はきっと誰もしないだろう。だが、俺にとって浮気は許容の範疇を超えていた」
静かに話す口調はとても穏やかで、表情も落ち着いて見える。
だけど、ベッドの上に置かれた手はとても強く、白くなるまで握られている。
「いくつの時に、お母さんは出ていかれたんですか?」
想像でしかないけど、藤宮さんのお母さんが彼を捨てて出て行ったのは、きっと子供の頃のことだろう。
だって” 子供に自分の時間が削られるのが嫌”だったんだから。
「……俺の母親もそうだった」
呟いて、唐突にタオルを取りあげた。
驚いて瞬きした私に、今度は冷たいタオルを乗せてくる。
「子供に自分の時間が削られるのが嫌で仕方がなくて、父が仕事人間で構ってくれないのが寂しくて、自分だけが辛いんだと嘆いて。結局は他の男と浮気して、家を出ていった」
話がいきなり過ぎて、右から左へスルーしそうになる。
藤宮さんにはいつもびっくりさせられるけど、今回は超弩級にシリアスな話を突っ込んできましたね⁉
ガバッと起き上がり、タオルを外して彼を見たら、自嘲するような表情を浮かべているから、何か言おうとして……。
でも、何を言っていいのかわからなくなった。
「俺と彼女は”婚約者”だった。普通なら、あそこまで過剰な行動はきっと誰もしないだろう。だが、俺にとって浮気は許容の範疇を超えていた」
静かに話す口調はとても穏やかで、表情も落ち着いて見える。
だけど、ベッドの上に置かれた手はとても強く、白くなるまで握られている。
「いくつの時に、お母さんは出ていかれたんですか?」
想像でしかないけど、藤宮さんのお母さんが彼を捨てて出て行ったのは、きっと子供の頃のことだろう。
だって” 子供に自分の時間が削られるのが嫌”だったんだから。