次期社長の溺愛が凄すぎます!
「見ればわかります。最初からわかっているときは、主任ちゃんとおしゃれをしてくるようになりましたもんね。いつどこでナチュラルメイク覚えたのか、メイクも可愛らしくなりましたよね」

「うん。それで、今日は藤宮さんの32歳の誕生日らしいのね」

フォークに巻き巻きパスタを絡めていたら、三島さんの片方の眉がピクリと跳ね上がった。

「なるほど。バースディプレゼントは何にしたんですか?」

「ネクタイは恥ずかしいから候補から外したんだけどね。さすがに”くびったけ”は、キラキラしたピンクのハートが飛びそうで遠慮したの」

三島さんは想像したようで小さく吹き出した。

「主任からピンクのハートが飛び出したら見ものです」

「私を見せモノにしないで。それでね。藤宮さんのグレードを考えると恐縮しちゃうような代物だけど、腕時計にしてみたの」

宣言したプレゼントの内容に目を丸くされる。

「いつも驚かされてばかりいないんだから」

「サプライズですね。逆プロポーズみたいな感じになっちゃいません? でも、ある意味シンデレラストーリーじゃないですかー!」

ワクワクしている三島さんに、不敵に笑って指を振る。

「ガラスの靴なんて窮屈そうなもの履かないから。それに、誰かに幸せにしてもらうんじゃなくて、普通にふたりで幸せになるつもり。今も、かなり幸せだと思うけどね」

「あー……ノロケですか。勘弁してくださいよー」

だるそうに言われながらも、お互いに顔を合わせると同時に吹き出した。

「あーもー、なんだか私までワクワクしてきました。プレゼントした時の藤宮さんの反応、教えてくださいね」

そう言う三島さんに、ニッコリと微笑み小首を傾げ……。

「広めるから絶対に嫌」

その後は彼女の文句を、ランチが終わるまで聞き続けた。








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