次期社長の溺愛が凄すぎます!
流れるような自然な動作で、腕を掴んでいた手を取られて繋ぎ直される。

藤宮さんって手を繋ぐことが多いけど、これって改めて考えてみると恥ずかしいよね。

でも、きっと手を放してはくれないだろうから、タクシーが多い通りまでは、今日あった出来事など他愛もない話をしながら並んで歩く。

基本的にそんなときの藤宮さんは聞き役だ。

目もとを和やかに微笑ませ、頷きながら私を見つめてくれる。

今日はそれもちょっと恥ずかしくなって、視線を外したら顎を指先でもたれて振り向かされた。

「どうかした? 何かあったか?」

「何もないです。空車があるかなーと思って道路を見ていただけ」

ちょっとだけ困った顔をされて、でも見つけた通りすがりのタクシーに乗りこみ、食事をする予定のホテルまで向かった。









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