次期社長の溺愛が凄すぎます!
「それなら得意だと思います」

「うん。麻衣子はいつも美味しそうに食べるから、見ているとこちらも楽しくなってくる」

ちょっと安心して笑い合うと、分厚いワインリストが持ってこられて藤宮さんが好きなワインを選んでいる間に、夜景を楽しみながらプレゼントはいつ渡そうかと考える。

最後の方でいいよね。たぶん。

そうしているうちにコース料理が運ばれてきて、アミューズを食べながら彼の選んだワインで誕生日に乾杯。

ゆっくりと味わいながら、目に鮮やかなオードブルや、エビのテリーヌになどにも舌鼓を打ち、藤宮さんの出張での面白ハプニングの話を聞いていたら、気がつけば自然とリラックスして食事を楽しめるようになっていた。

そして可愛らしくて美味しそうなデザートを食べ終え、コーヒーが運ばれてきたときに、プレゼントの箱を藤宮さんに差し出す。

「お誕生日おめでとうございます」

「ありがとう……来てくれるだけでも、俺には誕生日プレゼントになるんだけどな」

そう言ってくれるのも嬉しいけど、やっぱりプレゼントも大事だと思う。

「開けてもいいか?」

包装紙のままの箱を眺めていた藤宮さんが、そう言って私を見たから頷いた。

藤宮さんは丁寧に包装紙を開けると、箱の中身を見て黙り込む。
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