次期社長の溺愛が凄すぎます!
「……麻衣子?」

静かな声に、ビクっとしてから真剣な顔をした。

「はい」

無表情に腕時計を見ている藤宮さんに、気に入らなかったらどうしようとか、そんなことを考えていたけど、彼はそのまま低い声で言葉を続ける。

「俺は、プレゼントを深読みするのが好きなんだが」

そうですね。

こっちが知らなかろうと知っていようと、お構いなしに意味のあるプレゼントをあなたはくれますよね。

「これを深読みしても、問題はないか?」

「ないですね」

挑むようにして言うと、鋭い視線が返ってきた。

「俺は、君を放してやるこはないぞ?」

「望むところです。同じ時を過ごしましょう」

からかってみると、藤宮さんは一瞬キョトンとして、それから大きく息をついてソファに身を預けた。

クスクス笑って見守っていると、藤宮さんは何故か悔しそうに着けていた腕時計を外し、プレゼントした方の腕時計をはめてくれる。

そしてそれをしばらく見つめていたと思ったら、急に立ち上がった。

「麻衣子。出ようか」

あまりに唐突で、びっくりする私の手を取り、立ち上がらせてくれる。

そのまま手を繋いで歩き始めると、ウエイターさんから何かを受け取って店を出た。
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