次期社長の溺愛が凄すぎます!
そして言ってしまってから、真剣な表情のままでいる藤宮さんに心臓がドキドキとしてくる。

彼はじっとこちらを見つめたまま、ジャケットの内ポケットから何か取り出すと、私の右手を持ち上げ、時間をかけながら指に何かをはめていく。

「俺は嫉妬深いし、束縛もすると思う」

「ひどかったら喧嘩になるかもしれません。私、気が強い方なので」

お互いにきっと欠点も多い。

藤宮さんが何故こんな私を選ぶのかはわからない。でも、好きという気持ちは本当なんだと思う。

薬指を見てみると、ピタリとはめられたのは銀白色に光るリング、綺麗な小さな石がつけられていて、デザインはとてもシンプルだ。

その指輪に藤宮さんはキスを落とし、それから私を腕の中に閉じ込めるように抱きしめてくる。

藤宮さんからは微かに花の匂いがした。

彼の体温がとても心地よくて、目をつぶりかける。

「……本当は、すぐに返事がもらえるとは思っていなかったんだ」

囁くような声は、ちょっと緊張しているようにも聞こえた。

「だから、今日はそのまま帰してあげるつもりだったんだが」

つもりだったんだが?

強く抱きしめられて目を見開く、か細い吐息が肺からひゅうっと漏れていった。

「俺のものになってくれないか?」
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