次期社長の溺愛が凄すぎます！
食べに来てるって言っても母さんひとりにご飯作りをさせるわけにいかないし、私や美夜ちゃんを含む女衆でわいわいご飯作り。

工場のおじさんたちもいないから、圭一さん含む男衆は静かなもんだけど……。

「美夜ちゃん……あれ。なにやってると思う？」

居間の方を覗くと、圭一さんとりゅうちゃんが黙って見つめ合っていた。

圭一さんは姿勢正しく正座をしている。

りゅうちゃんはハイハイして圭一さんの前まで来たようで、床に両手をつきながら顔を上げている。

「義姉さんの彼氏さん。無表情すぎません？」

「ああ。けっこうデフォルトなの」

「無表情がデフォルトって。義姉さんと話してるときは激甘スマイルじゃないですか～」

それはこの際、恥ずかしいからノーコメントにしておこう。

父さんも和志も何をやってるんだ。

圭一さんみたいな武士に、りゅうちゃんみたいな小さな子を預けるなんて……。

見てみると少し離れたところから、父さんはニマニマ、和志は仏頂面でふたりを眺めている。

ちょっと！と、言いかけて、居間に入ろうとしたところで美夜ちゃんと、唐突に現れた母さんに止められた。

「ちょ……っ。下手したらりゅうちゃん泣いちゃうよ？」

「大丈夫よ。見てみなさい」
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