次期社長の溺愛が凄すぎます!
通話を終了させて、藤宮さんを見上げると、何故かニコニコ嬉しそうな笑みを見せていた。
「え……あの?」
こんな満面な笑みは初めてじゃない?
この間も爽やかな笑顔は見せていたけど、どこか冷めていたくせに。
イケメンの爆発的笑顔の威力に、思わず引きそうになってしまった。
「実家か? 実家だよな?」
「まぁ、そうですけれど、それが……」
言いかけたら、藤宮さんが誰かに声をかけられた。
「圭一さん。どうしたんですか、社員入口にいるなんて珍しい」
近づいてきたのは、白髪混じりのお洒落口髭ダンディなおじさんで、質のよさそうな灰色のスーツを身に付けている。
そのスーツの襟元についているのは、弁護士バッチだ。
彼は藤宮さんを見て、それから私を見て、しばらくしてから目を真ん丸く見開いた。
「斎藤麻衣子さん?」
「あ……」
どこかで見たことがあるなぁと思ったら、口髭でわからなかった。
「吉田さ……」
「今から帰るところだ。あなたは父に用なんだろう。それでは失礼する」
藤宮さんが割って入ってきて、私の手をぐいっと取ると引っ張りながら歩きしだしたからびっくりした。
「え。ちょ……っ? 藤宮さん?」
前を歩く藤宮さんと、遠ざかって行く吉田さんを交互に見ながら慌てて声をかける。
「いいからついて来てくれるか。あの人に見つかったら、また話もできなくなる」
「え……あの?」
こんな満面な笑みは初めてじゃない?
この間も爽やかな笑顔は見せていたけど、どこか冷めていたくせに。
イケメンの爆発的笑顔の威力に、思わず引きそうになってしまった。
「実家か? 実家だよな?」
「まぁ、そうですけれど、それが……」
言いかけたら、藤宮さんが誰かに声をかけられた。
「圭一さん。どうしたんですか、社員入口にいるなんて珍しい」
近づいてきたのは、白髪混じりのお洒落口髭ダンディなおじさんで、質のよさそうな灰色のスーツを身に付けている。
そのスーツの襟元についているのは、弁護士バッチだ。
彼は藤宮さんを見て、それから私を見て、しばらくしてから目を真ん丸く見開いた。
「斎藤麻衣子さん?」
「あ……」
どこかで見たことがあるなぁと思ったら、口髭でわからなかった。
「吉田さ……」
「今から帰るところだ。あなたは父に用なんだろう。それでは失礼する」
藤宮さんが割って入ってきて、私の手をぐいっと取ると引っ張りながら歩きしだしたからびっくりした。
「え。ちょ……っ? 藤宮さん?」
前を歩く藤宮さんと、遠ざかって行く吉田さんを交互に見ながら慌てて声をかける。
「いいからついて来てくれるか。あの人に見つかったら、また話もできなくなる」