次期社長の溺愛が凄すぎます!
だけど、藤宮さんはちょっとだけ考えるようにして、それからすぐに口を開いた。
「そうだな。婚約者とは見合いだったから、そんなに深くは考えなかった。ただ、結納まで済ませた相手がいるにも関わらず、ああいうことをする人間は、個人的に許せないんだ」
「ゆ、結納……していたんですか」
「向こうの親が乗り気だったからね。ただし、ことがバレてからを考えると……」
藤宮さんは眉間にシワを寄せ、嫌悪感も露にして溜め息をつく。
「麻衣子とは個別に会っていて正解だったかな。ひどいものだった」
「そ、そうなんですか……」
「吉田さんも呆れていたな。人の話を聞いていないのか、返答が理解不能状態でな。さすがの俺も混乱しそうだった」
もう一度、彼は溜め息をついて、それから大きく息を吸った。
「ともかく、麻衣子が元気そうでよかった。当時も思っていたが、君はとても美しい。あんな男に踏みにじられていい花じゃない」
見つめられながら言われて、じわじわ頬が熱くなってきた。
よく無表情でそんなセリフが吐けるな!
気障なの? それとも羞恥心をどこかに置き忘れてきたの?
何か言い返そうか。でも、なんて言い返えせるというのか。
ちょっとまわりに、この手の気障男がいないから、ボキャブラリーのレパートリーがない。
「そうだな。婚約者とは見合いだったから、そんなに深くは考えなかった。ただ、結納まで済ませた相手がいるにも関わらず、ああいうことをする人間は、個人的に許せないんだ」
「ゆ、結納……していたんですか」
「向こうの親が乗り気だったからね。ただし、ことがバレてからを考えると……」
藤宮さんは眉間にシワを寄せ、嫌悪感も露にして溜め息をつく。
「麻衣子とは個別に会っていて正解だったかな。ひどいものだった」
「そ、そうなんですか……」
「吉田さんも呆れていたな。人の話を聞いていないのか、返答が理解不能状態でな。さすがの俺も混乱しそうだった」
もう一度、彼は溜め息をついて、それから大きく息を吸った。
「ともかく、麻衣子が元気そうでよかった。当時も思っていたが、君はとても美しい。あんな男に踏みにじられていい花じゃない」
見つめられながら言われて、じわじわ頬が熱くなってきた。
よく無表情でそんなセリフが吐けるな!
気障なの? それとも羞恥心をどこかに置き忘れてきたの?
何か言い返そうか。でも、なんて言い返えせるというのか。
ちょっとまわりに、この手の気障男がいないから、ボキャブラリーのレパートリーがない。