次期社長の溺愛が凄すぎます!
うわぁとした顔をしたら、隅っこの方で弟夫婦がおいでおいでしてくれてる。

「和志たちも来てたんだ」

「親父に来いって言われてな。ねーちゃん誕生日おめでとう」

「ありがと。って言っても、主役抜きで始まってたみたいだけどね。りゅうちゃん連れてきてないの?」

まだ二歳のぷくぷく可愛い甥っ子の姿が見えなくて、義妹の美夜ちゃんを見る。

「寝ちゃったんで、あっちの部屋に避難させてます」

「それ正解だね。にしても、この騒ぎの中で寝るとか、大物だな~」

「だといいんですけど。私たちもすき見て台所に避難しましょう」

逃げられない和志は『ひどい』という顔をしたけれど、これも男の付き合いだ、生け贄頑張れ。

というわけで、お酒を注ぎつつ、飲まされつつ、おっさんたちが肩を組んで歌い始めたところで美夜ちゃんと一緒に台所に避難した。


「もう、ああなったら仕方がないね~」

半ば諦めつつ、台所にある椅子に座ると、母さんが缶ビールを手渡してくれた。

「父さんは?」

「私が来たときには、すでにべろんべろんで、隅っこで潰れてた」

「あの人、強くないくせに飲むから」

プルタブを上げると、プシュッといい音がする。

料理を作りながら、すでに飲んでいたらしい母さんが「かんぱーい」と言いつつ缶を上げるから、半笑いして缶と缶を合わせた。

帰りは運転手役の美夜ちゃんは炭酸ジュースだ。
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