次期社長の溺愛が凄すぎます!
何とも言えない複雑な表情の彼に、居心地が悪くなってくる。
うん。確かにたくさんの衝撃を受けたけど、この人も婚約者に浮気をされたんだからショックだったんだよね。
冷静でいられるはずがない。現に私は全然冷静でなんていられなかった。
ふっと視線を下ろすと、ローテーブルに広がったままの写真が見える。
見ていたくはないから、散らばった写真を片付け始めたら、吉田さんが手伝ってくれた。
そのなかに【工藤真理恵】という名前入りの書類を見つけて、それを凝視してしまう。
「もしかして、ですが、婚約者さんも“ま”から始まる名前をされていらっしゃいますか?」
吉田さんはパッと私が見ていた書類をとりあげ、藤宮さんは言葉に詰まったような顔をした。
ああ、そうなんだと理解する。
「奏斗が一度だけ、私のことを“まーちゃん”って呼んだことがあったんです」
普段は“麻衣子”だったのに、思わず呼んでしまった、そんな慌てた表情をしたから、照れくさかったんだろうって思って……とても嬉しかった記憶がある。
でも、きっと別の理由だったのかと納得した。
「きっと、別の人のことを、そう呼んでいたんでしょうねぇ」
しみじみと呟くと、また沈黙が落ちる。
うん。確かにたくさんの衝撃を受けたけど、この人も婚約者に浮気をされたんだからショックだったんだよね。
冷静でいられるはずがない。現に私は全然冷静でなんていられなかった。
ふっと視線を下ろすと、ローテーブルに広がったままの写真が見える。
見ていたくはないから、散らばった写真を片付け始めたら、吉田さんが手伝ってくれた。
そのなかに【工藤真理恵】という名前入りの書類を見つけて、それを凝視してしまう。
「もしかして、ですが、婚約者さんも“ま”から始まる名前をされていらっしゃいますか?」
吉田さんはパッと私が見ていた書類をとりあげ、藤宮さんは言葉に詰まったような顔をした。
ああ、そうなんだと理解する。
「奏斗が一度だけ、私のことを“まーちゃん”って呼んだことがあったんです」
普段は“麻衣子”だったのに、思わず呼んでしまった、そんな慌てた表情をしたから、照れくさかったんだろうって思って……とても嬉しかった記憶がある。
でも、きっと別の理由だったのかと納得した。
「きっと、別の人のことを、そう呼んでいたんでしょうねぇ」
しみじみと呟くと、また沈黙が落ちる。