次期社長の溺愛が凄すぎます!
「……えーと」

視線を無理やり引き剥がして、さまよわせると、どこを見ていいかわからなくなって床を見つめる。

「薄々は気がついているんだろ?」

……普通は頷かないでしょ。

だいたい、口説かれた記憶は全くない。

でも、かなりの勢いで構い倒されてるのは知ってる。

今回の“お礼”が終わったら、さくさく壁を築いてしまおうとか、悠長なことを考えていた私が甘かった。

まさか、こんなとこでそんなことを言い始めるなんて夢にも思わないじゃない。

ここはきっぱりお断りする方がいいよね。

「私、男の人とお付き合いするつもりもないですし、ゆくゆく結婚を考えているんでしたら、時間の無駄なんじゃないかなって、思います」

「たぶん時間はかけた。少なくとも、俺は」

真面目な顔していってみたら、倍くらい真剣な表情で返された。

ちょっと待て。あなたのどこが時間をかけたっていうんだい?

あなたと私、再会してからは半月くらいでしょ。

再会したその日に、一応お食事に誘われて、そして、翌々日にはプレゼントをいただいた。

次には会社まで来てお土産を渡されて……次の日には外商使ってショッピング。

今日のための武装として、この洋服も気前よくプレゼントされてしまったわけだけど。

……ではなく、展開が早いとは思っていないのかな⁉
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