次期社長の溺愛が凄すぎます!
「えーと。技術者ではなく、総務部の主任である主任が?」

「技術者と研究者も行くけど、私もだって」

クエスチョンマークを浮かべている三島さんに私も失笑してしまったけど、これは決定事項らしいから仕方がないじゃない?

部長は汗をかきながら『藤宮重工のノウハウを覚えてくるように』なんて、なんのノウハウを覚えてくればいいのか、もっともらしく意味不明なことを言っていた。

「主任いないと困ります。部長の寒いギャグ、誰がとめるんですか!」

「ちょっと待って、私の存在意義はそれなの?」

思わず真顔になってしまったけれど『冗談ですよぅ!』なんて言っている三島さんの表情は半分マジだ。

そりゃあ、部長のギャグは寒くてブリザードも吹き荒れるからねえ。

あくびを噛み殺しつつ、通知を引き出しにしまっていたら、三島さんが首を傾げる。

「主任、眠そうですね」

「うん。最高に夢見が最悪だったの。今日は朝イチでミーティングだったし」

「最高に最悪?」

「ともかく、散った散った。もう就業時間だよ。残業したくないなら早く仕事して」

しっしと彼女を手で追い払い、パソコンの画面を見ながらまたあくびを噛み殺す。

本気で今日の夢見は最低だった。
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