キミの取り扱い説明書~君が冷たくする理由~
story1
*始まり*
【優愛side】
私は、相川優愛(あいかわ ゆま)。
高校2年生。帰宅部所属…。
特に何の取り柄もない、
ごく普通の女子高生である。
私の通う北高校は
私より遥かにレベルが高い進学校であって、
私のようなお馬鹿がそう簡単に入れるレベルではない。
なぜ入れたかというと…
私が必死に中学の担任の先生に推薦を貰いたいとお願いしたからだ。
中学で学級役員をしていたから、
そこで推薦してもらってギリギリ入れたの。
だって、推薦してもらわなきゃ私、
テストで点数なんてとれるわけないし。
何としてでも、この北高校に入りたかったんだ。
ーキーンコーンカーンコーン。
ボーッとして何も理解できていないまま、
あっという間に授業が終わってしまった。
私…ついていける気がしないよぉ。
たまたま、2年に進級できたけど。
ほんっとたまたまなんだ。
紛れ紛れ。
私って結構今までで奇跡起こしてるんだよね。
推薦入試で高校合格したでしょー、
赤点ばっかとってたくせに2年に進級できたでしょー、
遅刻したのに先生にバレなかったでしょー、
ひょっとして、私ってそういう能力を持った
スーパーウーマンなのか!?
なんて馬鹿な事を考えてガッツポーズを取っていると、
「おーい。もしもーし、聞こえてるかーい?」
もう帰る準備万端のご様子。
私の親友、今井 穂希(いまい ほまれ)
が、私の席の前に仁王立ちして立っていた。
穂希は可愛いと言うよりは美人なタイプで、
男気溢れるTHE番長!って感じの一応…、女子である。
穂希とは中学の時の体験入学で仲良くなったんだけど…
「おい!誰が番長だってぇ?!」
バンッ!!
と私の頭を一発殴った彼女。
これ、1日何回やられてるんだろうか、
今度数えてみるか…。
ていうか…、
「心の声聞こえてた!?え、エスパー!?」
「アホか。思いっきり声に出しとったわ。
あと!一応女子の"一応"は余計だかんねっ!」
「は、はいぃぃー。すいませんでしたぁ!」
と、まぁ。
こんな感じなスクールライフを過ごしている私。