キミの取り扱い説明書~君が冷たくする理由~
豹変
【 琥珀side 】
今日は本当についてない。
朝、TVをつければ占いは最下位だし、
作ったお弁当は勉強机の上に忘れるし…
だから、今日はとことんついてない日。
そんな事を考えながら机に頬を寄せてウトウト寝る寸前だったのに…
バンッ!!と大きな音がして俺は飛び起きた。
「なんだよ!?」
俺の机を思いっきり叩いた犯人は、
優愛の友達であり、
俺の幼馴染でもある穂希だった。
「ちょっと、琥珀。
いいの?こんなとこで寝てて」
「…何が?」
「何が?じゃないわよ!
優愛が呼び出しされてから全然帰って来ないの!」
「はぁ!?」
呼び出し?
また女から呼び出しされたのか?
優愛は俺に毎日公開告白をしてきていたから、
俺の周りの女から凄い陰口叩かれたり、
毎日のように呼び出しもされていた。
けど、今回は…
「俺のせい、じゃないよな??」
「バッカじゃないの!?
あんたが女と仲良くお弁当を食べてる間に優愛は北山先輩に…!」
「北山?」
北山って…まさかっ!!
「あっ、ちょっと琥珀!?」
ガタッ!と椅子から勢いよく立ち上がると、
教室を全速力で飛び出した。