キミの取り扱い説明書~君が冷たくする理由~
バンッ!!
と、扉を豪快に開ける音が聞こえたかと思えば、
重かった体が一気に軽くなった。
「…テメェ、何やってんだよ」
ドスのきいた声。
でもどこか居心地が良くて、
似てる…
私の…
大好きな人の声。
「…中山、く、ん…」
どうして?
何で中山くんがこんな所にいるの?
何で中山くん、先輩のこと殴ってるの?
中山くんは思いっきり先輩の顔を殴ると、
その衝撃で倒れこんだ先輩に馬乗りになろうとした。
「や、中山くん!!ダメだよ!!」
今にも殴りかかりそうな中山くんの腕を後ろから掴み、
背中にしがみついた。
「は?何でだよ、
コイツがお前に何しようとしてたかわかってんの?」
中山くん、
中山くん、ケンカ慣れしてる…?
素早い動き。
いつもと違う、。
「わかってる!わかってるから、もういいんだよ!」
「何がもういいんだよ!…」
「フッ…」
中山くんに殴られた頬を擦りながら、
起き上がる先輩は、
なぜだか
笑っていた。