キミの取り扱い説明書~君が冷たくする理由~
「何、笑ってんだよ」
「王子様気取り?」
「はぁ?何いって…」
「優愛ちゃんに
好かれたいが為にそんなことしてんだろ?」
な、何言ってるの?
それは…真逆だよ!!
「残念ながら。
コイツが俺にベタボレな訳であって、
決して俺がコイツに惚れてるわけじゃないんで」
そう、私が中山くんに…!
って、えぇ!?!
今、あっさりと失礼なこと言ったよね!?
なんだろう…この胸のムカムカは。
さっきから、鼓動が徐々に激しさを増していく。
「そうか?俺には逆に見えるけどな」
そう何か意味深に言う先輩だけど…
私にはその意味が分からなかった。
「とにかく。次コイツに手出したりしたら…
どうなるか分かってるよな?
つか、今後二度と俺達の前に現れるな。」
終始鋭い目を向けながらもそう、
決め台詞のような言葉を吐いた後、
…
「行くぞ」
そう言って私の腕を半ば強引に引っ張って
先輩を置き去りに、空き教室を後にした。