キミの取り扱い説明書~君が冷たくする理由~



ムカムカ、ムカムカ…


時々、ギューッと締め付けられるように胸が痛い。


さっきからこの胸の高鳴り?は何なんだろう?

ドキドキ、とも違う。

緊張、とも違う。

今までに感じたことのない、何か…。




「…た、助けてくれて、ありがとう」


「別に。助けたつもりないけど」


「へ、へぇ。そっか。
私はてっきり中山くんが助けにきてくれたとおもっ…」


「バッカじゃないの?」


「へっ?」


お礼を言ったはずが、

彼からは思いもよらない言葉が吐き出された。


「調子乗んなよ」


今まで、いくら冷たくされる事はあっても

こんな言い方されたこと、なかった。




何、何か、怒ってるの?

私、怒らせるようなこと、した?



私、怖かったんだよ?

先輩に腕引っ張られて、

無理やり押し倒されて…


今までで、一番の恐怖だったんだよ?

なのに…


なのに…
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