佐野くんっ…!!
♛︎ 3
「離してっ!!」
人通りのない路地裏。
私は池田くんと西野くんの腕をバッと振りほどいた。
2人は顔を見合わせ、頷いている。
…なんか、気味悪い……
背筋がゾクッとした。
健人くん……助けて!!
足が震えてくる。
そんな中、西野くんがゆっくりと口を開いた。
「なぁ、三倉ってさ…」
急に名前を呼ばれてビクッと肩が震えてしまう。
ギュッ
「……っっっ!?!?!?」
その震えた肩を力強く抱く西野くん。
突然すぎてパニック状態だ。
私が混乱していると、
「…やっぱり」
ボソリと彼が呟いた。
「…女?」
「……っ!!」
隣から池田くんの声もする。