佐野くんっ…!!


ムスッとした顔で三井くんを見た。
三井くんは言い返すこともできず、目線を泳がせる。



「…け、健人くん、もう大丈夫だから」



イライラモードの健人くんを止めるために私は彼に向かって笑顔を向けた。

健人くんはそれを見て、少し躊躇っていたようだけど、



「…本当か?………変な所とか触られたり…」


「してないよ!?」



大丈夫だと分かったみたいで安心したような顔をして、



「…立て」



倒れたままだった西野くんへ手を差し伸べた。

西野くんは黙って健人くんの手を取って立ち上がり、恥ずかしそうにボソッと、



「…三倉、ごめん」


「…っ!!」



謝ってきた。


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