佐野くんっ…!!
Episode 6
♛︎ 1
「いや〜、歩き疲れたね〜」
もうすっかり辺りが暗くなる頃。
私たちは観光地巡りをし終え、旅館に向かって歩き出していた。
「さっきラーメン食ったから、夜ご飯もう食べられないかも」
西野くんはお腹をポンポン、と叩いて言った。
「いや、でもジンギスカンだぜ?食べるしかねぇって!」
そう言う池田くんの目はキラキラと輝いている。
男の子って皆、ちょっとあどけなくて可愛いなぁ…
クス、と思わず小さく笑ってしまうと、健人くんはそれに気が付いたのか、じっと私の方を見てきた。
「…?どうした?」
声をかけてみると、
「…っ!?」
ワシャワシャと急に頭を撫でてきた。
「ちょ、待って…」
「あんまそーゆー顔すんなよ」
「…っ!?」