佐野くんっ…!!
「お、部屋ここじゃね?」
「広そう」
食事会場から部屋までは歩いて5分もかからなかった。
「もう佐野、中にいるよな?」
そう言えば私たちは鍵を持っていない。
池田くんがドアノブに手をかけようとした時ーーー
ガチャ…
まるで私たちが部屋の前に来ていたのが分かっていたかのように、ちょうど健人くんが出てきた。
「…あ、いま帰ってきたんだ?」
浴衣姿の健人くん。
凄く…
きれい……
思わず見とれてしまう。
ジッと見すぎてたのか、パチッと健人くんと目が合ってしまった。
「早く入れよ」
優しい笑顔で言う健人くん。
普通にドキドキしちゃうーーー