佐野くんっ…!!
ーーーと、すかさずお母さんが口を挟む。



「男の子と同じくらいでお願いしたいの」


「ベリーショートくらい?」


「そうね」


「了解」



私を挟んで、二人の間で会話が成立したみたいだ。



鏡に映る私の髪は、少し茶色で胸元あたりまであった。



この姿も見納めかーーー



私は後に立っている美容師さんに、覚悟を決めて頼んだ。



「お願いします」


「はいよ!」



そう言い、巧みな手さばきにより、一気に私の長い髪の毛は、私に別れを告げたのだった。



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