佐野くんっ…!!
なんでもないわけがなかった。

私が思わず驚いてしまった理由ーーー



このクラスに、電車の中で出会った、佐野くんにそっくりな子がいたのだ。




私はチラチラとその子の事を横目で見てみる。


当の本人は授業に集中しており、私の方など見向きもしない。




鼓動が次第に早くなる。



あの子は一体ーーー?






授業が終わり、お昼休みに入ると転校生はやはり珍しがられる性質を持つのか、私の周りにはクラスメイトたちが集まった。


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