佐野くんっ…!!
佐野くんは、三井くんをキッと睨むと、



「…行くぞ」


「…えっ」



グイッと私の腕を掴み、足早に教室を出ようとした。



「お、おい、待てよ!」



三井くんは勢いよく立ち上がると、机の上に出してあった教科書をカバンにしまい込み、私たちの後をついてくる。


佐野くんの歩くスピードは早まってきた。



みるみるうちに私たちと三井くんの距離は離れ、いつの間にか三井くんの姿は見れなくなった。


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