佐野くんっ…!!
さすがは私立、学校の敷地が広い。


佐野くんは2個ほど離れた校舎の裏まで来て、やっと足を止めた。


そしてゆっくり振り返り、私の顔をじっと見つめる。



緊張した。



「……忘れんな」


「…え?」



ボソリと呟く彼。



「お前は俺についてこればいいっていっただろ」


「……っ!!」



嬉しかった。

だけどやっぱり、どこか違和感がーーー



私はこのモヤモヤを取り払いたかった。


ーーーと、その時、カバンの中に入れてあったスマホからLINEの着信音が漏れた。



この、なんとも言えない状況から逃れたかったのもあって、私はすぐにスマホを確認した。


送り主はーーー



「……佐野…くん」


「…っ!!!」


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