佐野くんっ…!!
どうしよう、心臓が口から出そうだーーー





「弟」


「……え?」



私が聞くより先に、佐野くんが口を開いた。



「お、弟…?って…え、どういう…」



混乱が止まらない。


佐野くんは、スマホの通知欄に出ている『佐野くん』という所を指さしながら、



「コイツ、俺の双子の弟だから」



私にトドメの一言を発した。





ど、どうして…

私の初恋の人の…お兄さ…ん!?





もうダメだった。

頭がパンクしたかのような、身体に電撃が走ったかのような。


私は目の前が一瞬にして暗くなった気がした。


そして、そのまま、静かに倒れ込んだ。



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