佐野くんっ…!!
「にしても三倉、佐野と仲良くなるの早すぎねぇ?」


「さすがだわ」



ポツンと取り残された私をまた例の如くクラスメイトの輪が襲う。



女だって勘付かれないように必死なのに…。



「邪魔。困ってるじゃん」



困り果てた私に見かねたのか、輪の後から声が降り掛かった。


声の主はーーー



「三井くん…」



昨日、あんな仕打ちを受けたのに、彼は私を助けようとしてくれたのだ。

< 54 / 117 >

この作品をシェア

pagetop