佐野くんっ…!!
私を庇うようにして、健人くんが間に入る。


三井くんは、やっぱり、と言い、



「俺の初恋の相手だ、三倉……くん」



私の方をじっと見る。


ゾワっと背筋が凍る気がした。



「……お前、何しに来たんだよ」



そう言う健人くんの声は、芯が通ったような、ハッキリとした声だった。


三井くんは、一瞬だけ健人くんに目を移し、



「…この子、女だよね?」


「……っ」



すぐに私を見た。


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