佐野くんっ…!!
私の肩を引っ張った。



「や、やめてっ」



咄嗟に声が漏れる。


女の声がーーー



ハッとしてプールではしゃいでいるクラスメイトを見るが、遊びに夢中でどうやら声は彼らの耳には届いていなかったようだ。


ホッと胸をなでおろしたのも束の間、三井くんの熱い視線が私を捉えたまま離さない。



「……っ」



身体が震えるのが分かった。

なんて言うのだろうか、その…





怖い





私は一刻も早く、この状況から抜け出したかった。


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