佐野くんっ…!!
大好きな人に、必要にされているんだ、
そう思うだけでーーー





「三倉、なにニヤけてんだ?」


「あ、もしかして彼女とか!?」


「うわー、三倉恋人持ちかよ!」



ハッと我に返るとクラスメイトからの視線が集まっていた事に気が付く。


やっぱり怖い。

油断もできない。



「三倉、いい女紹介してくれよ!」



と、突然後からギュッと抱きつかれた。



「……っっっ」





ダメだって、私、男の子に免疫なんてーーー





「…え、三倉」


「美怜、こっち!」



抱きついてきたクラスメイトに何か言われる前に、三井くんに腕を取られ、私は勢いよく教室から飛び出した。



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