佐野くんっ…!!
「そういう佐野は好きな人いるのかよ?」


「……っ」



プクーっと頬を膨らませながら訊ねる三井くん。

健人くんは一瞬固まり、暫くしてから、ボソッと呟いた。



「……いるわけねぇだろ」



ガラガラッ…



3人で会話していると、教室のドアが開き、担任が入ってきた。

一瞬で静かになる教室。

さすが進学校、とでもいうべきだろうか。


担任は、コホンと一つ咳払いをしてから口を開いた。



「えー、今から夏休み中の修学旅行について話し合う時間にする」


「……っ!?」


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