佐野くんっ…!!


バスの中ーーー



「ねぇ、なんで美怜の隣が佐野なわけ?」



皆がワイワイ騒ぐ中、三井くんの少し拗ねたような声が後ろの席から聞こえる。

私の隣にはピッタリと健人くんが座っているわけで…。



「うるせぇな。コイツに何かあった時、お前より俺のが都合いいだろ」


「何それ、俺だって美怜守れるし」


「お前はムリ」



ぎゃあぎゃあと喧嘩し始める始末で…。



乗り物酔いが激しい私は、騒がしい中でもなんとか寝ようと必死で目を閉じた。


最初のうちは皆の声が邪魔で中々寝付けなかったが、次第に頭がボヤーっとして…





「…寝たのか」



ついには眠りに落ちてしまった。



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