佐野くんっ…!!
ーーーというわけで。



「なんで佐野なんだよ〜」


「うるさ」



飛行機の中の座席も健人くんのお隣になりましたとさ。


飛行機が離陸してからすぐ、また睡魔が私を襲ってきた。

うとうとしていると…


グイッ


「……健人く…」



いきなり健人くんに腕を掴まれた。


「寝るなら俺の方を向いて寝ろ」


「え」


「寝顔他のやつに見られて女だってバレたらどーすんだよ」



そう言って私の頭をポンポン、と撫でてきた。



「……ありがとう」


「…っ」



心配してくれて、世話を見てくれてる事が本当に嬉しかった。



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