放課後は君と2人で
『使っていいよ』
まさかのお許しが出た。
「いいんですか?」
「いいけど…
バレないように使って」
「了解です!
ありがとうございます」
あたしは急いで教室へ戻った。
教室は授業が終わったばかりなので友達と話している子がほとんどだった。
そしてその中からあたしはお目当ての人物を見つけ出した。
「梓っ!」
机の上には4時間目に使った教科書やノートがまだ出ている。
「夏帆、4時間目はどこ行ってたの?
帰ってこなかったから適当に先生にはごまかしておいたから。
あとノーともとっておいたから」
「ありがとう。
それでお昼行こ。
蒼衣先輩が図書館使っていいって言ってくれたから」
あたしは梓の腕を掴んで急がせた。
どうしても…
どうしても…
梓に聞いて欲しいことがあったんだ。