放課後は君と2人で
初めての図書館




目の前には教室よりはちょっと大きなドア。


今、あたしは図書館の前に居る。

知らなかったー。
こんな所に図書館があるだなんて……。


あたしはドアに手を掛け
そーっと開けた。


「失礼しまーす……」


室内はちょっと薄暗く、ほこりっぽい。


梓がいたら“絶対”怖がるね……。

夏休み明けに聞いた話だけど…… 梓は暗い所が苦手らしい。

今までどうして早く帰っていたのか最近わかった。


「すいませーん……」


誰も居ない図書館はちょっと、怖い。

カザガサと奥の方から小さな物音が聞こえる。


あたしは音がする方に足を進めた。


「すいませーん、今日から手伝う者ですけど……」


「…… はい?」



テーブルの上に沢山の本を並べている男の人が振り返った。


始めてみる人……。


「あの、今日から手伝う秋元 夏帆です。
よろしくお願いします」


やっぱり初めて会う人にはちゃんと自己紹介をしないとね……。





< 11 / 230 >

この作品をシェア

pagetop