放課後は君と2人で
「カギ閉めるから出て」
背中を押されあたしはいつもより1時間以上も早く下校することになった。
…………蒼衣先輩と。
「俺はカギを兄貴の所に返してから行くから自転車を持ってきて校門前」
「はい…」
本当にあたしを送ってくれるんだ。
優しいんだな。
夕日が沈みきっていない空を見上げて蒼衣先輩を待っている。
このくらいの明るさなら1人でも大丈夫なのになぁー。
まあ、送ってくれるって言うんだから甘えちゃお。
「ゴメン、遅くなった」
「遅いです。
待ちくたびれました」
「兄貴から伝言。
“秋元、ちゃーんと勉強しろよ”だって」
どうして蒼衣先輩が来るのが遅かったのか分かった。
…………平本先生か。
勉強ね、勉強。
ちゃんとやりますよ。
「遅くならない内に行こうか」
「はい」