放課後は君と2人で



それからの授業は一切頭には入ってこない。


あたしは教科書もノートも出さず、ただ机に突っ伏していた。



「大丈夫?」

と、何度か声をかけられたが適当に返事をしてあたしはずっと机から動かなかった。



いつか終わりがくることが分かっていたはずなのに…


それを今まで認めていなかった。



あの時間はあたしにとって大切な時間。


時間を忘れるくらいあの片付けは楽しかったんだ。

なのにそれが今日で終わりだなんて…



信じられない。


信じたくない。



片付けが無くなれば前のような日常が戻ってくるだけ。


福島先輩と帰ったり梓と一緒に買い物をして帰ったり…


前と変わらないのに…


変わらないはずなのに…



その楽しかった時間が思い出せない。


頭に浮かんでくるのは蒼衣先輩と一緒に本を片付けたことだけ。




< 131 / 230 >

この作品をシェア

pagetop